看護師の仕事は3Kから9Kに?その内容を解説!

看護師の仕事は「3K」というキーワードを聞いたことがありませんか?

3Kとは「きつい」「汚い」「危険」の頭文字を取ったものですが、看護の仕事は3Kどころではなく、9Kであるとも言われています。

 

今回は看護の「3K」「9K」とはどのような内容なのか、現役看護師である筆者が解説します!

看護の仕事「3K」の内容

①きつい

看護師の仕事は身体的にも精神的にも「きつい」と言われています。

膨大な仕事量で残業は当たり前、慢性的な人手不足で頻繁に夜勤をこなし、介護度が高い患者さんの移乗や体位変換などの介助業務で身体がバキバキに…

身体的にもきついですが、ミスできないプレッシャーや、人間関係のいざこざ、患者さんや家族からのクレームなど精神的な負担も大きいです。

身体を壊したり、精神の不調を訴えて退職していく看護師も多いのが事実です。

労働環境改善に取り組む病院も近年増えていますが、現場の意見としては、なかなか変わっていないな…と感じてしまいます。

②汚ない

医療の現場では、血液や痰、排泄物を扱います。

一般的には汚ないといわれているものですが、採血も吸引もオムツ交換も、患者さんにとって必要な大切な処置であるため、汚ないという感覚を持って処置をすることは筆者はありませんでした。

しかし、排泄物を扱う業務は抵抗があるという方もいると思います。

どうしても抵抗がある方は、クリニックや検診センターなどの排泄介助の少ない職場を選択することもできますね。

③危険

針刺し事故や感染症患者への対応など、看護の仕事は常に危険と隣り合わせです。

筆者も手術室勤務時代に針刺し事故に遭ったことがあります。

朝から夜中までの手術で、医師も看護師もクタクタになっていました。

手術が終了し、「終わったー!」とテンションが上がった医師が器具をまとめて直接介助の筆者に手渡しし、その中に針も入っており…手に刺さってしまいました。

その患者さんは感染症を持っていたため、すぐに救急に受診しに行きました。幸い発症はしませんでしたが、看護の仕事は危険だということを、身を持って実感しました。

危険であるということを常に意識して、感染予防を徹底し、自分の身を守らなければなりません。

看護の仕事「9K」の内容

上記の「3K」にさらに6つのKが加わったものが「9K」です。

看護の現場で働いていると、3Kどころではないと感じている方も多いでしょう。

④規則が厳しい

職場によって異なりますが、看護師は規則が厳しいといわれています。

髪の明るさはこのくらいまで、ピアスはNG、靴下は白のみなど。看護学生時代は実習に出る前に身だしなみチェックがありました。

厳しいと感じる方もいるかと思いますが、筆者は個人的には当たり前かな…と思います。

他職種でも同様の規則はあります。飲食店では爪は短く、髪の毛は束ねなければいけませんし、ピアスや指輪などの装飾品も付けられません。

営業職ではスーツを着なければいけませんし、革靴を履いています。

人を見た目で判断するのは良くないことですが、金髪でピアスをした看護師に命をあずけるのは何だか不安だと思うのは理解できます。

患者さんや家族と信頼関係を築くためにも、最低限の礼儀は必要ではないでしょうか。

要はTPOに合わせましょう、という意味合いでの規則だと思いますので、命をあずかる専門職として患者さんや家族に不快を与えないという意識は必要かな…と思います。

⑤給料が安い

看護師は一般的に高給取りと思われています。

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の平均賃金は31.1万円であるのに対し、看護師の平均賃金は35.1万円です。

一般労働者に比べて4万円ほど高い賃金となっています。

データだけで見れば、看護師の給料は決して安くはありません。

しかし、看護師の給料が高い理由は夜勤手当が付くためです。夜勤がない職場では同じような給料はもらえません。

また、一般労働者より高い給料をもらっていても、看護師が給料が安いと感じる理由は業務の過酷さによるものでしょう。

長時間の夜勤やきつい、汚ない、危険な仕事内容の割には給料が安い…と感じている看護師は多いということですね。

参照:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況

⑥休暇が取れない

最近は有給休暇の消化に積極的な病院も増えており、休める時に休むという考えは浸透してきています。

しかし、人手不足や他の看護師との兼ね合いもあり、希望通りに休暇が取れるというわけではありません。

また、お盆やゴールデンウィーク、お正月も病院勤務の看護師には関係ありません…

世間はお休みムードのなか、通常通りの勤務を行なっているため、休暇が取れないと感じてしまうのかもしれん。

⑦婚期が遅れる

日本看護協会の調査では、20~50歳未満では一般女性と比較して看護職の有配偶率は低い傾向があり、未婚率は高い傾向があるということがわかります。

年代が上がると有配偶率は高まりますが、一般女性と比べるとどの年代も未婚率は高めです。

看護師は収入が安定しているため、自立して生活ができるということも婚期が遅れる理由のひとつであると考えられます。

また、日々進歩する医療に対応するため看護師は勉強が欠かせません。仕事と勉強で忙しく、恋愛をしている時間がないということも理由のひとつでしょう。

⑧化粧ノリが悪い

夜勤で生活リズムが崩れたり、日々のストレスで肌が荒れてしまう看護師は多いです。

筆者も疲れすぎて、化粧を落とさずベッドにダイブしてしまった経験が何度もあります…

化粧ノリが悪いのは、頑張っている証拠です!

筆者は休みの日はエステに行ったり、ヘッドスパに行ったりしてケアをする時間を作っています。

⑨薬に頼って生きている

看護師不足が問題となっている今、簡単に仕事を休むことはできません。

欠勤が出ると、その分他の看護師に負担がかかってしまいます。看護師は責任感のある方が多いため、休むことに抵抗がある方が多いと思います。

なんとか体調を整えて出勤するために、薬に頼る看護師は多いです。

筆者の同僚は、夜勤で生活リズムが崩れ睡眠障害を抱えていました。眠れないと翌日の勤務で体調を崩したりミスをしてしまう危険があるため、内服で睡眠をコントロールしていると話していました。

ストレスや生活リズムの崩れから体調を崩すことが多い仕事ですが、休みたくても休めない環境であるため、薬に頼って生きているといわれているようです。

まとめ

今回は看護の「3K」「9K」について解説しました。

現役の看護師であれば、納得!という内容ばかりですね。

9Kどころではない、もっともっとある!と感じている看護師の方もいるかもしれませんね。

「3K」「9K」はネガティブな内容ばかりですが、最近新たな「3K」の解釈が生まれています。

新しい「3K」はポジティブな解釈になっており、看護の仕事の魅力を表しています。

この内容については、また別の記事で解説しようと思います!