このような不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
特に訪問看護は、1人で利用者の自宅へ訪問し判断しなければいけないというイメージがあり、ブランクがあると難しいのでは…と思う人が多いと思います。
実は、筆者も5年のブランクを経て訪問看護師として復職しました。最初は様々な不安がありましたが、今ではやりがいを感じながら、楽しく働いています!
本記事では、現役訪問看護師である筆者が、ブランク明けでなぜ訪問看護の仕事を選んだのか、訪問看護を選んでよかったと感じたこと、これから訪問看護で復職を目指す方に向けて、復職前にしておきたいことなどを解説します。
参考:一般社団法人訪問看護事業協会 令和4年度訪問看護ステーション数調査結果
https://www.zenhokan.or.jp/wp-content/uploads/r4-research.pdf
ブランク明けで訪問看護を選んだ理由
筆者はこれまで手術室や外科病棟などで経験を積んできましたが、病院に戻るという選択はせず訪問看護の仕事を選びました。
なぜ、訪問看護を選んだのか、その理由は大きく分けて3つあります。
①訪問看護ニーズの高まり
近年、様々な理由から在宅医療のニーズが高まっています。
その理由は以下です。
- 超高齢化社会で要介護高齢者が増加し、在宅でケアを受けながら生活する人が増えている
- 病院の在院日数の短縮により、医療ニーズの高い在宅療養者が増加している
- 高齢化に伴い今後病院や施設が不足するため、在宅で看取りを行うケースも増加すると予想されている
- 家族構成の変化にともなう介護力の低下
高齢・多死社会を迎える中で、人々が地域で安心して生活を送れるように在宅医療のニーズが高まっています。
このような背景から、訪問看護ステーションの数が増加しています。
そのため求人数も多く、ブランクがある看護師の受け入れに積極的な事業所も多くみられます。
筆者は5年のブランクがあり、さらに未経験である訪問看護の仕事に不安はありましたが、今後さらに必要されるであろう在宅医療の担い手になれたら、と思ったのが訪問看護師になった大きな理由です。
また、ひと通りの経験があるのであれば、忙しい病院に戻るよりも在宅のほうが自分らしい看護ができるのでは…という期待感もあり訪問看護での復職を決意しました。
②研修制度が整っている訪問看護ステーションが多い
「ベテラン看護師でないと務まらない」というメージが強い訪問看護。
前述したとおり、実は新卒やブランクのある看護師の受け入れに、積極的な事業所が多くなっています。
筆者も訪問看護は1人で何でも判断しなければいけない…と思い込んでいたため最初は不安が強かったのですが、自信がつくまでは先輩看護師が同行してくれたので安心して始めることができました。
1人での訪問が始まってからも、困ったことがあれば電話で相談することもできたので、最初から1人で判断できなくても大丈夫です。
また、注射や採血などの技術研修を行っている事業所もあります。技術面に不安があっても、サポート体制が整っている事業所を選べば安心です。
筆者が訪問看護を始めてみて感じたことは、在宅療養者は経過がゆっくりであるということ。もちろん、急変もありますが、多くの方は病状が落ち着いておられます。
そのため、知識や技術についての不安があっても、学び直す時間の余裕があり、ブランクがあっても無理なく始められると思います。
③希望に近い条件で働ける
求人情報を実際に見てみると明らかですが、訪問看護は病院に比べて柔軟な働き方ができます。
こちらは筆者が現在働いている訪問看護ステーションの求人情報です。
- 週1日から勤務可
- 1日3時間からOK
- 訪問看護未経験でも可
- 夜勤・残業なし
- 子育て中の看護師歓迎。急なお休みも対応可
病院勤務ではなかなかない条件です。2人の子供を育てる筆者にとって、とても魅力的な条件でした。
現在は週に2日、9時から16時まで勤務しています。子どもと過ごす時間を大切にしながら働くことができ、とても満足しています!
訪問看護を選んでよかったこと
病院での看護とは違った魅力のある訪問看護。
筆者が訪問看護を選んでよかったと感じたことを紹介します!
- じっくりと利用者と話ができ、一人ひとりに合った看護を提供できる
- 慢性期から看取りまで長く関わることができる
- 自分で考えたり工夫をすることで自分らしい看護ができる
- 幅広い疾患を学べる
- 子育てとの両立がしやすい
訪問看護を選んでよかったと感じることはまだまだたくさんありますが、書き出すと止まらないのでこの辺りにしておきます。
訪問看護の一番の魅力は、患者やそのご家族とじっくり関わりを持てること。
自宅で過ごすことでリラックスした患者さんの表情を見られたり、ご家族とのイベントを楽しむ姿を見られたり、看護師として在宅療養を支える喜びを感じられる場面がたくさんあります!
訪問看護師として復職する前にしておくべきこと
復職前は、様々な不安を感じると思います。
しっかり対策をして、不安を解消しておきたいですよね。
少しでも自信をつけて復職するために、復職する前にしておくべきことについて解説します!
復職支援研修に参加する
各都道府県に設置されている看護協会では、復職に不安がある看護師に向けて復職支援研修を行っています。
筆者も復職前に看護協会の研修を受けました!
各都道府県によって内容は様々ですが、復職に必要な知識・技術が網羅されていています。
復職支援研修の内容の例は以下です。
・病院の看護の概要
・患者参画の看護の展開
・看護記録
・看護職が扱う医療機器の取り扱い、検査データの見方
・感染防止対策
・医療安全対策
・看護技術(採血、注射、輸液、褥創ケア等)
・助産師コースにおいては助産技術等
・訪問看護ステーションの概要、活動状況
・在宅で行なわれる医療処置、日常生活援助
・地域との連携(社会資源の利用、多職種との連携等)
訪問看護に特化した研修も組み込まれています。
看護協会の復職支援研修は無料で受講でき、復職先の紹介などのサポートもしてもらえます。
筆者も研修に参加することで少し自信が付き、復職へのハードルが下がったように感じました。
実際に手を動かしてみると、意外と覚えているものです!
知識・技術面に不安がある方は、まずは看護協会の復職支援研修を受けることをオススメします。
訪問看護ステーションの見学
訪問看護の現場を自分の目で見ることで、訪問看護の実際や、自分に合っているかどうかを確認することができます。
訪問看護ステーションの見学では、訪問看護の現場への同行やカンファレンスの見学、手技の演習ができます。
求人を見て気になっている事業所があれば、ホームページなどで確認して、見学が可能か問い合わせてみることをオススメします。
実際に働くイメージを持つためにも、見学はしておいたほうが良いでしょう。
転職サイトに登録する
家事や育児をしながらの転職活動は大変です。
転職サイトに登録することで、自分の希望に合った求人を探してもらえます。
登録時に転職サイトに条件を伝えることで、効率的に転職活動ができます。
また、応募者からは伝えにくい勤務時間や給料などの条件の交渉も行ってもらえます。
履歴書の書き方や面接の対策などのサポートを受けることもでき、転職が決まれば祝い金をもらえるなどのメリットは大きいですね!
まとめ
病院とは違った魅力のある訪問看護。
ブランクがあっても、訪問看護師として復職は十分可能です!
不安も多いと思いますが、一歩踏み出してみませんか?
まずは、転職サイトに登録したり、気になる事業所があれば見学に行ってみたりすることをおすすめします!