看護師になって人の役に立ちたい。医療の現場で働くことに憧れている。国家資格を取得して安定した職に就きたい…など、様々な理由で社会人から看護師を目指す方が増えています。
筆者もその一人でした。出産を機に前職を辞めて一念発起し、看護の世界に飛び込みました!子育てしながらの学生生活はなかなかハードでしたが「社会人から学び直す」ということはとても貴重な経験になったと思います。
実は看護師免許の取得には年齢制限がなく、何歳からでも目指すことができます!
この記事では社会人から看護師になる方法と、社会人から看護師を目指すメリット・デメリットについて解説します。
看護師免許には正看護師と准看護師がありますが、今回は正看護師免許取得について解説します。
社会人が看護師になる方法
看護師になるには、看護師免許を取得する必要があります。
看護師養成所や、看護短期大学、看護大学を卒業し、国家試験に合格することで看護師免許を取得できます。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
看護師養成所
いわゆる看護学校です。筆者も看護学校を卒業しています。最短でお金をかけずに看護師免許を取得したい方におすすめです。
- 3年制
- 英語や体育などの一般教養のカリキュラムが少ない
- 社会人入学枠がある
- 学費が安い
看護短期大学
看護短期大学は看護大学より1年早く看護師免許を取得できるメリットがあります。しかし、看護の専門性を高めるため看護大学へのシフト化が進んでおり、看護短期大学は年々減少しています。
- 3年制
- 卒業すると準学士の称号が得られる
- 4年制大学に編入することができる
看護大学
国立・公立・私立の看護大学があります。費用はかかりますが、じっくり看護を学びたい方におすすめです。
- 4年制
- 一般教養のカリキュラムも幅広く学べる
- 卒業すると学士の称号を得られる
- 保健師・助産師・養護教諭の資格取得も目指せる
- 専門学校に比べて学費が高い
このように看護師免許取得までの年数や費用、カリキュラムに違いがあるため、自分に合った学校を選ぶことが大切です。
社会人からこれらの学校に入学した場合、過去に大学などで取得した科目は免除となり授業を受けなくてもよいことがあります。
筆者が通っていた看護学校では、大学を卒業している社会人の学生は英語や体育、社会学など大学で履修した科目が免除になっていました!
社会人から看護師になるメリット
メリット①社会人経験を活かすことができる
社会人として働くなかで経験してきたことは、看護師になっても活かすことができます。
たとえばパソコンやコミュニケーションスキル。
パソコンは看護の仕事でもよく扱います。電子カルテが導入される前の紙カルテに慣れている看護師は、パソコンが苦手な方が多いです。
パソコンが得意な看護師は、電子カルテの入力や学会での発表資料の作成などで重宝されるでしょう。
また、コミュニケーションスキルは重要です。看護師は医師をはじめ様々な職種の方と協働して医療を提供します。看護師は中心的な役割になることが多く、コミュニケーションスキルは必須です。
社会人経験があればひと通りのマナーや常識があるため、他職種と円滑にコミュニケーションをとることができるのではないでしょうか。
また患者さんやそのご家族との関わりのなかでも、様々な経験をしてきたからこそ理解できることや共感できることがきっとあります。患者さんに寄り添ったケアを提供するためにも、社会人として経験したことには大きな価値があると思います。
これまで培ったキャリアを捨てて看護師になることにためらいがある方もいるかもしれませんが、社会人としての経験は絶対に無駄にはなりません!
メリット②仕事に困らない
高齢化社会が進み医療ニーズが高まるなか、看護師の人手不足が深刻化しています。
雇用動向を示す指数のひとつである有効求人倍率からも、看護師の求人の多さは明らかです。
厚生労働省が発表した2022年2月のパートを含まない看護師の有効求人倍率は2.42倍、パートを含むと2.20倍となっており、求職する看護師1人あたり2件以上の求人があるということになります。
全職種の有効求人倍率は1.21倍であり、看護師の求人は他職種の2倍になっています。離職者が多い月は3倍になることもあります。
データからもわかるように、出産や育児、転居などで転職する際にも仕事に困ることはまずありません。
筆者も妊娠や転居で転職した経験が何度かありますが、すぐに転職先が決まりました。
看護師免許は生涯、あなたを支えてくれる資格になるでしょう。
参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年2月分)について」
メリット③活躍の場がたくさんある
看護師の仕事といえば病院をイメージする方が多いと思いますが、看護師が活躍できる場所はたくさんあります。一例を挙げてみます。
- 病院
- クリニック
- 学校
- 自治体
- 企業の健康管理室
- 在宅医療
- 施設
- 看護の教育機関
- 国際協力機関
このように、様々な場所で看護の知識・経験を活かして活躍することができます。
それぞれ業務内容に特徴があるため、自分が「どのような看護をしたいか」によって働く場所を選ぶことができます。
看護師免許を取得することで、将来の選択肢が広がるのではないでしょうか。
社会人から看護師になるデメリット
デメリット①看護師免許取得までの生活費
看護師免許を取得するためには、最低でも3年はかかります。その間の生活費をうまくやりくりしなくてはいけません。
アルバイトをしている学生は多いですが、テスト期間中や実習中はアルバイトをしている余裕などありません。
また、学費の他にも食費や実習場所への交通費、勉強に必要な書籍の購入などこまごまとした出費もあります。交通費に関しては学割が使えますが、貯金があった方が安心です。
貯金がない場合は、奨学金制度のある学校を選ぶとよいでしょう。看護学校にはお礼奉公という奨学金制度があります。看護学校卒業後、指定の病院で看護師として一定期間勤務することで返済免除となるもので、多くの学生がこの制度を利用しています。
デメリット②体力的にきつい時がある
看護師の仕事は体力勝負です。社会人から看護師になる方は、年齢的に体力が心配…という方もいるのではないでしょうか。
看護師として働いていると、「朝から夕方までトイレに行けないほど忙しい!」「気づけば日が暮れている…」なんてこともよくあります。
特に夜勤がある病棟勤務では生活のリズムが崩れるため、体力的にきついと感じることが多いと思います。看護師を目指すのであれば、体力はかなり必要だと感じます。
筆者は手術室勤務だったので、何時間も立ちっぱなしは日常茶飯事でした。入職して間もない頃は貧血を起こしたことがあります…
また、患者さんの体位変換や移乗・移送、入浴介助など力を必要とされる仕事も多く、腰や膝を痛める看護師も多いです。体力だけでなく、筋力もあった方が良いですね!
デメリット③看護の世界では社会人経験があっても新人!
社会人経験があっても、看護師としての経験はありません。0からのスタートになります。
自分より年下の看護師から指導を受けることも多いでしょう。
命に関わる現場であるため、時には厳しく指導されることもあります。
そんな時に、素直に指導を聞き入れる姿勢が大切です。
0から学ぶという意識を持って誠実に取り組むことができれば、問題はありません。
まとめ
社会人から看護師を目指すことは十分可能です。
何歳からでもチャレンジでき、生涯財産となる資格になると思います。
看護師免許を取得すると様々な働き方ができ、看護はとてもやりがいのある魅力的な仕事ですよ。
これまで社会人として培ってきた経験を看護の現場で活かしてみませんか?